働き方改革まとめ

日本における働き方(ワークスタイル)改革の情報をまとめています。

内閣官房に「働き方改革実現推進室」設置

9月2日、内閣官房に「働き方改革実現推進室」が設置されました。長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現に向けた施策を検討するとされており、今月中にも有識者会議を立ち上げ、年度内に実行計画を取りまとめる方針です。

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安倍首相のことばで印象的だったのは、「世の中から非正規という言葉を一掃していく」というものです。現在、非正規あるいは非正規労働者と呼ばれているのはいわゆる「正規雇用」以外の有期雇用で働く人のことで、具体的にはアルバイトやパート、契約社員派遣社員が含まれます。

実際には正社員と同等の仕事をしていても、賃金に差があったりボーナスがなかったりと格差が生じており、これを是正するために「同一労働同一賃金」を実現しようというわけです。

実は2006-2007年の安倍内閣時代にも、同一労働同一賃金の法制化が試みられています。竹中平蔵氏の著書*1によれば、「既得権益を失う労働組合や、保険や年金の負担増を嫌う財界の反対で頓挫した」とのことですので、今回こそ法制化できるのか、それともガイドラインの提示といった落とし所になるのか。気になるところです。

 

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もう一つの目玉である長時間労働の是正については、8/28のNHK日曜討論」の中で加藤勝信働き方改革相が述べたとおり時間外労働(残業)の規制が再検討されるようです。

ここでキーワードになるのが労働基準法第36条、いわゆる「36(サブロク)協定」です。現在、一日8時間あるいは週40時間を超える労働をするには労使が合意し36協定を結ぶ必要があります。36協定により可能となるのは月45時間、年間360時間までですが、これには強制力がありません。そのため、特別な事情があるときには、さらに「特別条項付36協定」を結ぶ・・・といった具合に、結局のところカギカッコつきの「労使の合意」のもとに上限のない時間外労働がなされているのが現実です。

働き方改革実現推進室では、この36協定について再検討するとされていますが、上限をどういう水準にするのか(月45時間か、80時間か)、様々な業界がある中で一律とするのか適用除外を設けるのか、また罰則等のペナルティをどうするか、といった課題があります*2

個人的には、そもそも36協定など結んでいない企業や、割増賃金を払いたくないから時間外労働の記録を残さないような企業も多数あると感じています。そのため罰則の強化とその徹底が望まれます。

さまざまな課題はありますが、人口が減る中で日本が成長していくためにも、今回設置された働き方改革実現推進室には期待したいところです。

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政府 働き方改革実現推進室を設置 | NHKニュース

政府は、安倍総理大臣が重要課題として掲げる働き方改革の実現に向けて、2日、政策の立案などに当たる「働き方改革実現推進室」を設置し、安倍総理大臣は職員に対し、労働者の視点に立って改革を進めるよう指示しました。

NHKニュース / 2016/9/2)

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